Hieronymus Bosch (circa 1450–1516) [Public domain], via Wikimedia Commons
率直に言って僕らが生きるこの世界は問題事だらけだと思いませんか?
戦争、利権争い、金儲け主義の蔓延、環境破壊、
医療問題、食の安全が脅かされ、人間関係も破綻、
ありとあらゆるプロパガンダ合戦・・。
さらにこの世界の99%の富は、人口のわずか1%が支配していると言うのです。
またネットなどの情報(いわゆる陰謀論)を集約していくと、
この世界を裏で操っているのは「影の政府・秘密結社」であり、
人口削減、人間牧場化を推し進めているその実態は
「凶悪なマフィア集団」だという話も出てくる始末・・。
そこまで大きなスケールではなくとも、身近な国内レベルの政治でも
かなりの権力の腐敗が起こっているのは疑う余地のないことに感じます。
では、そんな世界に希望を見出すことが出来るのでしょうか?
正直、僕は心のどこかで常に諦めに近い感情を抱いてきました。
聖書には「人間が人間を支配してこれに害を及ぼした」と
書いてありますが、それが頭から離れなかったのです。
なぜこれほどまでに世界はおかしくなってしまったのか?
なぜこれほどまでに生きづらくなってしまったのだろうか?
それは一言で言えば【分裂】です。
「自分さえ良ければ他人はどうなっても良い」という信念が
分裂を引き起こし、あらゆる問題の根源となっています。
たとえば、中東における戦争は、
「資源争い」「戦争ビジネス」という側面があるけれど、
もっと根本的には「キリスト教 vs イスラム教 vs ユダヤ教」
という異なる宗教同士の殺し合いだと言えます。
(その証拠に同じキリスト教国同士の戦いはめったに起こらない。米国対英国など。)
僕も以前はキリスト教系カルトに属していた事があるので分かるのだけど、
宗教の中でも原理主義者は極端な思想をもつことが多いです。
そしてどの宗派も「自分たちの神こそが真の唯一の神」だと主張し
「他の宗派の神は悪魔」
「悪魔を崇拝する人間もまた滅ぶべき人間」
という事になるのです。
つまり、一神教の恐ろしいところはここにあります。
その教義は人間に、選民思想と排他主義を生み出す。
そしてそれが分裂を引き起こして、
世界のあらゆる問題を生み出す原因となっています。
「神に選ばれし正義 vs 悪魔に使える悪しき民族」
その思想こそが、人が人を無慈悲に殺したり、憎んだり、
愛することが出来ない理由なのです。
ただし、こんな戦いを人類はもう何千年も続けてきたのだから、
正直もうそろそろ進化しても良い頃だと思うのです。
分裂は平和も愛も生み出さない。
だからどんなに聞こえの良い教えだとしても、
分裂を煽る教義には用心しなくてはいけません。
多くの宗教は愛を教えているとか道徳を教えていると言うかもしれないが、
その一方で神の裁きを教えるから、結局人間同士の分裂を生み出すことになるのです。
しかし人類が今必要としているのは、分裂ではなく、一体感なのです。
「一体感」とは分かりやすく表現するなら、「人類みな兄弟」。
これが平和と愛のイデオロギーだと思います。
あらゆる宗教には黄金律というものがあるけれど、
人類がみなこの黄金律だけを守り行えば地球は一体感をもつことが出来ます。
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」
「人にされたくないことは、あなたも人にしてはいけない」
但し、多くの場合、宗教においてこの黄金律には抜け穴があるのです。
それは、
「仲間にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも仲間にしなさい」
と限定してしまうことです。
つまり、相手が「異教徒」の場合は黄金律を適用する必要はないと考えてしまう。
その抜け穴が実はかなり大きな欠陥だと言えます。
そればかりか「異教徒は殺しても構わない」もしくは「神がいつか裁かれる」という
思想を教え込まれるので質が悪いのです・・。
(どうせ神が裁かれるのだから、今俺が裁いてやろう的な・・)
だから結局、世界の宗教、霊的な指導者は、人間を豊かにしてきたとは言えません。
逆に、彼らが権力を持つために、宗教戦争を引き起こしてきたし、
今も人類を分裂させ続けている元凶になっています。
だからこそ。今こそ日本人の知恵が必要とされているのです。
何故なら、日本人は和を尊ぶ文化と伝統を、世界の模範として
示すことが出来るからです。
つづく。
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